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 3.11巨大地震・津波による福島第一原発の事故を経験し,「原子力ムラ」の弊害が指摘された.旧原子力安全・保安院などの組織が改編され,環境省の外局として新たに原子力規制委員会が設けられた.原発敷地内の活断層に関しても評価し直すことになり,評価原子力規制委員会の下に有識者会合なるものが設けられた.原子力規制員会の一人が委員長となり,学会から推薦された数名の地形・地質学の専門家で構成されている.現在,大飯,敦賀,東通,志賀,美浜,もんじゅの評価作業が続いている.

 青森県東通原発に関しては,平成24年11月以来,平成26年末までに12回の評価会合と4回の現地調査を行った.第11回と12回の評価会合では「評価(案)」をまとめつつあり,平成27年2月18日にはピアレビュー会合を開いた.そして,有識者会合は最終的な評価報告書を,平成27年3月25日開催の第65回原子力規制委員会に提出した.有識者会合での科学的吟味は極めて不十分なままであったので,この事態は奇怪と言う他はない.評価作業は以下のメンバーで行った.
委員長
    島崎邦彦(原子力規制委員会委員長代理:平成26年9月まで)
    石渡 明(同:平成26年10月から)
評価委員    
    粟田泰夫(産総研活断層.地震研究センタ主任研究員)
    金田平太郎(千葉大理学研究科準教授)
    熊木洋太(専修大学教授)
    佐藤比呂志(東大地震研究所教授)

 東通原発敷地では,活断層かと疑われる〝第四紀変状”が観察地点の実に約40%で認められていて,異常である.また,他の原発サイトとは状況が異なり,検討を要する問題が多岐にわたっている.電気事業者(東北電力,電力中央研究所など)は〝第四紀変状”を粘土鉱物の吸水膨潤で説明しようとするなど,場当たり的に珍妙な説を開陳してきた.有識者会合評価委員の専門領域が総じて狭いためなのか,より適切な科学的評価が求められる点が多々見受けられた.

このHPの目的は,問題点を整理し,わたくし大槻憲四郎(東北大学理学研究科名誉教授)の純粋に科学的な評価を分かりやすく示すことである.

 

 

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より詳しい科学的評価に興味のある方は,下に進んで下さい.

 有識者会合による評価作業をアシストするため,私はこれまで10通の純科学的コメント(約80ページ)を有識者会合に逐次提出してきた.上にお示しした科学的評価はこれらのコメントを基にしている.私の科学的コメント(その4)までは第8回評価会合の配布資料の参考資料として に一括掲載されており,第9回から12回評価会合までは,その都度掲載されている.なお,9通目のコメント(番外)は,故あって公表していない.評価会合は一旦終了してしまったが,原発建屋直下の活断層評価が不十分だったので,コメント(その10)で補った.以上の全てのコメントは下のリンク先でも閲覧できる.

 

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